豪華客船の嘘??真実を見るには内側より外側から。

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今回は想像力のお話です。

まるで豪華客船のような大きな船に乗っているところを想像してみてください。
それはとてもとても大きな船です。

船の船首から船尾まで、歩いたら1時間かかるような、とてつもなく大きい船です。

実際にはそんな船はないと思いますが、フィクション(作り話)なのでお付き合いください。笑

ちなみにちょっと長めの物語なので読むのに5分くらいかかりますが、主人公になった気分で読むと結構面白いと思います。

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3等階の様子

昨日の雨模様とは打って変わって、今日はよく晴れて快晴です。

この大きな大きな船は大海原を長い間航海しています。

ぼくがいるのは3等階の船室。部屋にはベッドやシャワー、洗濯機もあります。船室のドアをあけて部屋を出ると、当たり前ですが、同じ3等階の乗客がたくさんいます。デッキのベンチに座ってぼーっとする人、仲間と一緒にボードゲームをする人、カフェでお茶を楽しんだり、レストランで食事をする人もいます。

この船にはスーパーのようなお店もあるから食材を買って部屋で料理もできるのだけど、レストランで食べた方が気楽だし、美味しいからって何かと選びがち。

たくさんの乗客が長い船旅を快適に過ごすために、船内には病院もあるし学校もあります。緑豊かな公園もあるし、運動ができるジムやマッサージ、図書館だって併設されています。生活するのは何も困らないような設備があるんです。それくらい大きな大きな船ってことです。

言い忘れたけど部屋にはテレビやゲーム機もあって1日部屋で過ごすことだってできちゃいます。驚きなのが毎日テレビで放送されているお笑い番組やニュース番組はこの船内で収録されているらしいってこと。確かに大きな船だけど一体どこにそんな場所があるんだろう。

 

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不思議な船

この客船には乗客向けに1等から5等まで部屋があるらしい。それぞれの階の入り口にはゲートがあって勝手に行き来ができないようになっています。他の階に行ったことはないけど、ゲートは確かにあって、24時間警備員が見張ってる。

プールや公園がある3等階の大きな広場に出て上を見上げると、2等階と1等階の端っこが見えるんです。1等階の昼下がりには、パーティーにでも行くのだろう素敵なドレスを着た若い女性がいかにも高級そうな椅子に腰掛けて、いつも優雅にお茶を楽しんでる姿が見える。ちょうど今も、いつものあの若い女性が優雅に座っていて、意味ありげにこっちを見てる。なんなんだ一体。

1等階のさらにその上の階には、分厚い鉄板で囲われているのが見えるんだけど、その鉄板の中からは毎日2時間おきにヘリコプターが飛び立ち、2時間起きに違うヘリコプターがやってくる。
いったいあのヘリコプターはどこへ行き、どこから戻ってくるのだろう。
噂では、あの分厚い鉄板で囲われたエリアには「桁違いのお金持ち達」がいるらしい。変な奴らが外から侵入しないための分厚い鉄板なのかな。
一生同じ空間で同じ空気を吸うことのないような貴族みたいな人たちがいるんだろうか。

そして船の1番高いところ、高すぎてもう見上げるだけで首が痛くなるような場所には船の進行方向と左右の側に大きな窓ガラスのついた部屋がある。

あそこは操舵室で、船長や航海士がいるんだよって以前乗組員が教えてくれた。その下っ端乗組員もその部屋には入ったことがないらしい。

なんで進行方向と左右にしか窓ガラスがないんだろう。後ろは見なくていいのかな。船の後ろにはカメラでもついているのか。
しかもガラスはなぜかマジックミラーになっていて
外からは中が見えないようになっている。どんな人たちが何人いるのか全然分からない。まあでも、船は進んでいるようだから問題ないか。

 

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下の階の人々

3等階の広場の端っこに寄ると、今度は下の方に4等階と5等階の広場が見える。
4等や5等には子ども連れが多く、子どもたちが大勢でサッカーをやったり、遊具で楽しそうに遊ぶ子どもたちを見守るお父さんやお母さんらしき人の姿も見える。

4等階や5等階には”労働”制度があって、船員や店員として働きながら船に乗っている人がたくさんいる。確かにこれだけの大きな船を動かすにはたくさんの労働者が必要だもんね。

 

上から見ていて思うのは、4等や5等の人たちは服装が皆似ているってことだ。流行ってるブランドなのか、お買い得なブランドでもあるのかな。

そしてこれはおそらくだけど、3等階の広場が大きくせり出しているから、4等階や5等階の人たちはからは2棟階以上の建物は見えないだろう。

これも噂で聞いたことだけど、4等や5等の人たちは3等階や2等階に上がることを夢みているらしい。テレビで「3等階は素晴らしいからみんな目指そう」みたいなCMばかりやっているんだって。

生活していてココ(3等階)がそんなに特別素晴らしい場所だとは思えんないんだけどな。

 

3等階には、上の階を目指している人もいるけど、特に不満もなく「こんなもんでしょ」って生活してる人もいるから、人それぞれなんだろう。

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外が見えない

とまぁ、ぼくが今いるこの船のことはなんとなく分かってもらえたかな。
あとは最後にこの船最大の謎について話しておかないといけないね。

実はこの船、なぜか理由は分からないけど、2等階の真横まで船の船壁が伸びていて、本当の外の景色が全く見えないようになっている。
本当のっていうのは、この壁は最新式?でスクリーンになっていて、毎日いろんな映像が映し出されるから、今どんなところを航海しているのか実際には分からないんだよね。
昨日は雨だったから淀んだ薄暗い映像になっていたし、今日は快晴だから遠くに島がいくつも見える海原の映像が映し出されてる。夜は花火が上がったりもするから結構楽しめたりするんだけど。

 

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不思議な出来事

それでね、ここからが本題でさ。

実はこれはまだ3等階の仲間にも誰にも話してない。

ちょうど1週間前、まだ日が昇る前の薄暗い時間に散歩をしていると、あの1等階のデッキの端っこでいつも優雅にお茶を飲んでるあの女性が目の前に現れた。
いつもの豪華なドレスとは違って、3等階ではよく見る一般的な服装をしていたから一瞬分からなかったけど、すぐにあの女性だと分かった。

幸か不幸か、まだ朝早くて周りには誰もいない。

すると、その女性は唐突に、「ねぇ、真実に興味ある?」と言った。いきなり言われて戸惑っていたら、「ついてきて」って言いながらクルッと背中を向けてスタスタ歩き始めてしまった。

何がなんだか分からないけど、なぜか不思議と体が勝手に動いていた。

しばらく歩くと、若い女性はぼくが今まで何回も通ったことのあるデッキの消火ホースが収納されている箱の横で立ち止まり、壁に手をかざす。すると壁が動いて小さな部屋のような空間が現れた。

この船はぼくが知っているよりもハイテクで、庶民が知らなくてもいいような秘密がまだまだあるのかもしれないと思った。

その部屋はなんとエレベーターになっていて、しばらく乗っていると止まって扉が開いた。1分くらいは乗っていただろうか。上がったのか下がったのかそれとも左右どちらかに動いたのかも全く分からない。ただその間、女性はぼくに背中を向けたまま一度も喋らなかった。

 

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初めての朝日

エレベーターの扉が開いて驚いたのは、そこに一機のヘリコプターがプロペラを回して停まっていたことだ。

ヘルメットとサングラスをつけたパイロットが一人だけ乗っている。ヘリコプターをこんなに近くで見るのは初めてだけど、思ったよりも小さくておもちゃみたいだった。四人乗りの小型ヘリコプターだからかな。いつも見る1等階の上から飛び立つヘリコプターはもっと大きくてゴツい。

そんなことを考えていると女性が「乗るよ」と言ってヘリコプターを指差した。

 

ヘリコプターのプロペラから来る風に身を屈めながら言われるがままにヘリコプターに乗り込み、ヘルメットをつけた。

ヘルメットには無線がついているらしく、女性の声が耳から聴こえて来る。「準備いい?」
扉を閉めると、女性はパイロットの肩を叩きながら「出して」と声をかけた。

格納庫の上が開くのかと思ったら、
正面が大きく開いてちょうど水平線から朝日が昇って来るのが見えた。

今まで船壁の映像でしか見たことがない日の出だ。差し込む太陽の光は目が痛かったけど、映像で見るよりも何倍も綺麗だった。

そしてその時、ビリビリッと頭に電流が流れたような衝撃で思い出したことがあった。

 

「自分はこの船の外を知らない」

「子どもの頃からこの船にいて、この船のあの部屋で大きくなった。」

その証拠に3等階のあの部屋には両親と妹と一緒に暮らしている。物心ついた時にはこの船に乗っていたのか?もしかしたらこの船の病院で生まれたのか?

 

眩しすぎる朝日を見た瞬間にいろんな疑問や過去の出来事がよみがえってきた。

 

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嘘のような本当

船から飛び立つとヘリコプターは水面ギリギリを隠れるように飛行した。あの格納庫は船の下の方にあったらしい。行ったことはないけど5等階かそのもっと下だろう。

5分くらい水面ギリギリを飛行したヘリコプターはその後高度をあげて機体の向きを180度変えた。正面に船が見える。朝モヤがかかって全体がまだ見えにくけど、やっぱり相当な大きさだ。そこらの無人島よりは大きいんじゃないか。

 

そして船を見て何より驚いたのは、船体の古さだ。全体的に赤茶けたサビが覆っていてパッと見ただけでも今にも穴が空いて沈みそうではないか。

しかも、ところどころすでに穴が空いていて白い煙あがっているのが見える。よく見ると、船の水面近くには小さなボートがいくつも並走していて船壁を修理しているようにも見える。本当にこの船大丈夫か?

内側から見ていると毎日綺麗な映像が流れて、テレビでは毎日「この船は”夢”と”希望”の船です。乗船している皆さんを幸せへとお連れします。」なんて言っているけど、今とてもそんな頼れる船には見えない。

一体どういうことだろう?
船の中にはそんな情報は全然流れてないぞ?

そんなぼくの様子を見て、女性が無線越しに声をかけてきた。
「どお?これがこの船の現実よ。」「外壁だけじゃなくて、内部のエンジンや機関部もボロボロで修理が追いついてない。何より船を動かすための燃料が全然ないって話よ」

「船壁が覆っていて外海が見えない2等階以下の乗客は何も知らずに船に乗っているけど、1等階や貴族階の乗客はとっくにそのことを知ってそれぞれ対応してる。」

ぼくはその話を聞きながら、あの分厚くて黒い鉄板に覆われたエリアを”貴族階”と呼ぶんだと初めて知った。

船の上の方を見ると、今もまた一機、貴族階から大きなヘリコプターが飛び立つところだ。いつの間にかぼくを乗せたヘリコプターは貴族階の上の操舵室と同じくらいの高さになっていた。大きなマジックミラーが朝日を反射して眩しい。

彼女によると、操舵室の中には2大派閥みたいなのがあって、もう何年もどっちのリーダーが舵取りをするかって揉めているらしく、そのおかげで船は何回も進路を変えていて今はもうよく分からなくなっているらしい。

朝の散歩から瞬く間にこんな場所に来てしまったけど。こんな事実、知らなかった方が良かったのかもしれないと心から思った。
いっそ何も知らないままある日突然船に穴が空いて沈没した方が良かったのかも。

 

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舌打ち

その後ですぐ、ヘリコプターはまた高度を下げて水面ギリギリを飛び、格納庫へと戻った。

格納庫に着いてヘリコプターのエンジンが止まると、ぼくと若い女性はヘルメットを外し、ヘリコプターを降りた。
そしてぼくに向かって「今見せたのがこの船の真実。そしてもっとあなたに伝えなければならないことがある。それは、、、」

彼女が言いかけたとき、さっきぼくたちが乗ってきたエレベーターの扉が開いて明らかに怪しい黒スーツのサングラスの男たちが何人も駆け出して来た。手には見慣れない黒い機械を持っている。

その男たちの姿を見て彼女は「チッ」と小さく舌打ちをした。
男の中の一人がエレベーターを駆け出た勢いのままぼくに近づいて来て、液体の入った銃のようなものをぼくの首に押し当てた。

黒スーツの男の一人が女性に何か話しているのが見えるけどそれと同時に自分の意識が遠のいていくのも分かった。

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見慣れた天井

ふと目が覚めるとそこな見慣れた天井だった。自分の船室のベッドの上。いつもよりボーッとする体を起こしてリビングに行くと父親と妹がテレビを見ている。ちょうど「この船は”夢”と”希望”の、、、」CMが流れてる。

デッキに出てみるとそこはいつもの3等階の景色だった。

あれは夢だったのか??
ただ、目にはあの初めて生で見た朝日の眩しさが残っている気がする。

 

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夢と幻の間

あれは変な夢でも見たのかな。
そう思いながらすでに1週間が過ぎた。
生活に特に変化はないし、周りの人たちもテレビの内容も、2時間おきに飛び立つヘリコプターも、今までと同じ。

もう忘れた方がいいのかもしれないと思いながら、何かが引っかかり、なかなか忘れられない自分がいるのが分かる。

 

ぼくが生まれた時から乗っているこの船は、一見みんな生活にはそこまで困っていなくて、そこそこの娯楽もあって、同じ階の仲間がいるから毎日楽しいし、安定した将来が約束されているようだけど、

実はパッと見じゃわからない大きな問題をこの船は抱えているのかもしれない。あのボロボロの船壁のように、本当のことを乗客が知ってしまったらみんな逃げ出してしまうから、だから本当のことが見えないように船壁を高くして、無理して船内の設備を豪華にして取り繕っているのかもしれない。

一瞬そんな思いが頭をよぎった。

 

ふと見上げると先ほど目が合った気がした1等階のあの若い女性の姿がいつのまにか見えなくなっている。

あの女性のことを意識しすぎているのかな。もう忘れよう。そんなことを思いながら今日はもう船室に戻ることにした。

 

そして、その日の深夜、予想もしなかったまた新たな展開を迎えることになるとはその時はまだ思いもよらなかった。

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おしまい(笑)

もしあなたの住んでいる所が、生活してて良い場所で快適に見えても、実はボロボロで今にも崩壊しそうな状況だとしたらあなたはどうしますか?

それをイメージして考えるための一つのストーリーだと思ってもらえれば幸いです。

あくまでもフィクションですけどね(笑)

続きを書こうと思ったけど、ここまで書くのが結構大変だったからやめました(笑)

この文を書いていて、小説家や作家の人ってつくづくすごいなって改めて思いました。物語作るのって大変(笑)

それではまた。

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