「普段考えないこと」を考えちゃう本

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いきなりものすごく当たり前のことを言いますが、

私たちは生きています」

 

生命があって生きているからこの文を読むことができます。呼吸をしています。

 

これってすごく当たり前なことで、普段は疑問にすら思わないんじゃないでしょうか。

 

でも、この当たり前をそれこそど真剣に考えている人たちもいます。

そういった人たちの人でぼくが好きな女性がいます。

池田晶子(いけだあきこ)という文筆家で、若い人々に向けて、考えることの大切さや面白さを伝え続けた方です。

彼女は2007年に47歳の若さでこの世を去りました。

 

その池田晶子さんが、『暮らしの哲学』という本で『生命』について書いているところがあります。

 

我々は一人残らず生命であるわけですが、その生命とは何なのか、実は誰も理解していない。や誰にも決して理解できない。だって、恐ろしく不思議なことじゃないですか。心臓が動いているから我々は生きている、しかし、その心臓を動かしているその「力」、それはいったい何なのか。

科学は、それなり仕方でその説明をするでしょう。血液を循環させるポンプとして云々、しかしそれはその物理的な仕組みの説明であって、なぜそれはそのように動くのか、その力がどこからくるのかを説明しているわけではない。

春になると花を咲かし目、木々を芽吹かしめるその力、生命の力とは、いったい何か。それは、どこからここにやってくるのか。

 

池田晶子さんは、このようなことを疑問に思い、日頃から考えを巡らせていたようです。

 

「今の世の中じゃそんなこと考えてたってご飯食べられないよ。時間の無駄。」と言われてしまうのかもしれませんが、それをど真剣に考えていたのが池田晶子さんです。

 

そして池田晶子さんの本には、ど真剣に考えていたからこそ書ける内容ばかりが書いていあります。

 

例えば『格差』の考え方についてはこう。

 

「いま普通に生活できている」、これがどの程度のことを言うのか、私にはわかりません。「こんな程度」ということを、言うことができるとは思えません。三度の食事を食べられていても、もっといいものを食べている人がいると思うなら、それだけでその人にとってその食事は「普通以下」ということになるからです。衣•食•住、どれも同じ、すべてそう。「あの人の方がいい」。だとしたら、「格差」というのは、ひょっとしたら、外にあるものではなくて、内にあるもの、その人の心の中にあるものではないか。比較する心そのものなのではないか。

 

『人間の好み』についてはこう。

「なぜ」、我々はその何かを好きだと感じ、別の何かを嫌いだと感じるのでしょうか。好き嫌いはどのように決まっているのでしょうか。

「好き」の理由を、記憶や経験に求めてみても、そうもうまく説明できない。「好きだから好き」としか、人は言うことができないようです。

人間万事、この世のすべて、実はこの「好み」という恐るべき主観性によって成り立ち、また動いているものだということがわかるでしょう。

人間をその根底において突き動かしているものは、これが好きで、あれが嫌いだというこの不可解な情動であって、決して主義や思想やイデオロギーではないのですよ。

ちょっと見には、何らかの思想やイデオロギーが世界を動かしているかのように見えますが、それらは、それらに従う人間があってのそれらです。なぜある人間がそれに従うかというと、それを好ましいと感じるからでしかないですよね。

理屈が正しいから従うなんてのはウソで、理屈が正しくても虫が好かなければ、人は決して従うことはしないんですよ。

 

そして、この『好み』というのは人間に限ったことではなく、

 

原子レベルにすら、この「情動」は働いているのではないか。

なぜ、水と油は合わないのでしょうか。逆に、水と塩ではなぜ合うのでしょうか。

ある原子とある原子の間で作用してる引力と斥力、これ自体そもそも何なのか。「引き寄せる」「斥ける」とは、好き嫌い以外の何ものでもないと、私には見えます。

 

つまり、宇宙が誕生したビッグバン以降、宇宙は拡大を続けている。ということは「お互いに離れよう」という力が働いている。なのにその中には、月と地球や、地球と太陽のように引力というお互いに引き合う力がある。

これは好き嫌い以外の何なのだろうか、と。

 

池田晶子さんのこういう考え方に触れると、「宇宙ですら好き嫌いがあるんだから、自分に好き嫌いがあるのはしょうがない。自分の身近に苦手な人がいたりしても、離れればいいんだ、適度な距離をおけばいいんだ」って、宇宙から学ぶことができます。

 

自分一人で考えていたら絶対に思いつかないことばかり。枠の広い人の考え方に触れるのは本当に面白い。

どうですか?皆さんも、「普段考えないこと」を考えてみたくなりましたか?笑

 

今回本文で引用させていただいたのは『暮らしの哲学』という本です。

暮らしの哲学

春夏秋冬、4つの章に分けられていて、池田晶子さんがそれぞれの季節を通して感じることを中心にまとめてあります。どの季節がオススメかと言われると、強いて言えば「春」かなと思いますが、そこはやはり「好み」がありますので、読んでみると自分のお気に入りの章が見つかると思います。

 

 

そして、池田晶子さんの著書を最初に読むならオススメは、

14歳の中学生に向けて書かれた『14歳からの哲学』です。

14歳からの哲学 考えるための教科書

哲学と書いてあるから取っ付きにくそうですが、そこは池田晶子さん。

哲学を哲学だと思わせない、わかりやす〜い文章で書かれています。

「自分とは誰か」「他人とは何か」「人生の意味」

「家族」「社会」「仕事」「善悪」「恋愛」「友情」、、、

本の帯にもありますが、「人が一度は考えておかなければならないこと」を考える手助けしてくれる1冊です。

ぼくに中高生の子どもがいたら絶対に薦める1冊です。本当に面白い。

 

池田晶子さんの本を読んでいた時、食事よりも先を読むことを優先したくなることが何度もありました。それくらいに面白い。

まさに「今の世の中じゃそんなこと考えてたってご飯食べられないよ。」です。ご飯食べられなくなります(笑)

 

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